石巻日日新聞

鳴瀬のノリ 皇室献上 塩釜神社品評会 手代木さんが最高賞

石巻日日新聞 2017年1月12日(木)

 「第69回奉献乾海苔品評会」の表彰式が11日、塩釜市の塩釜神社で開かれた。県漁協鳴瀬支所の手代木浩二さん(47)=東松島市牛網=が生産したノリが栄えある優賞(県知事賞)に選ばれ、皇室献上されることとなった。手代木さんは平成25年の品評会でも優賞を収めており、今回で2回目。ともに東日本大震災を乗り越えてきた仲間たちも喜んでいる。

 品評会は志波姫神社・塩竃神社、産業振興大祭協賛会の主催。今年は11の県漁協支所から計105点が出品された。ノリは、色、つや、香りなどが審査され、優賞から奨励賞まで71点が選ばれた。このうち石巻地方からは32人が入賞。表彰式には出品者たちが出席した。

 優賞に選ばれた手代木さんは、震災の津波で養殖施設や設備を流失した。だが平成23年12月に仲間の漁業者5世帯10人で「東松島漁業生産組合」を立ち上げ、24年11月にノリ養殖を再開。流失した船の確保や共同で利用する加工施設を建設するなどし数々の苦難を乗り越えてきた。

 同生産組合として品評会での優賞は、第66回での石垣久さん(61)以来3年ぶり。手代木さんは「例年と比べ色やつやの良いノリができた。仲間とともに頑張ってきた成果だと思う」と振り返っていた。

 県仙台地方振興事務所水産漁港部によると、昨季の県産ノリの生産量は4億1440万枚、約41億円。震災前の6―7割に当たるが、生産者1人当たりでは震災前に回復したという。同生産組合では1シーズンに約1200万枚を生産しており、価格も震災前の程度に回復した。手代木さんは「今後も仲間と力を合わせ、1500万枚の生産量を目指す」と力を込めて語っていた。

 手代木さんを除く石巻地方の入賞者は次の通り(敬称略)。かっこ内は所属の漁協支所。

 ▽壱等賞=鹿野拓洋(鳴瀬)相澤太(矢本)門馬隆(宮戸)内海広志(石巻湾)
 ▽弐等賞=門馬雅則(宮戸)門馬将行(同)
 ▽技術賞=門馬康成(宮戸)本田巧(石巻湾)
 ▽参等賞=津田正次(矢本)三浦一郎(同)阿部宗(石巻湾)相沢仁(同)
 ▽四等賞=阿部雄美(矢本)櫻井健太(同)相澤裕太(同)三浦正洋(同)石田信英(宮戸)櫻井庄松(同)門馬幹彦(同)
 ▽奨励賞=手代木千年(鳴瀬)石垣久(同)津田大(矢本)門馬哲也(宮戸)阿部信弘(同)菊地勇(同)雫石博幸(同)鈴木光博(宮戸西部)山内良裕(同)尾形文秀(同)阿部明(石巻湾)近藤正昭(同)

【写真】優賞に選ばれた手代木さん(左から2番目)と東松島漁業生産組合のメンバー

最終更新:2017年1月12日(木)

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