石巻日日新聞

名振のおめつき 笑顔あふれて「感じ良し」

石巻日日新聞 1月25日(水) 配信

 石巻市雄勝町の名振地区に江戸時代から続く火伏せの伝統行事「おめつき」が24日に行われた。山車(だし)の巡行や即興劇を見に多くの人が集い、地域は降る雪にも負けないホットな笑いにあふれた。

 行事は1730年ごろの大火をきっかけに始まった祭り。かつては火災時の避難路確保、延焼防止のため山車巡行の際、通りにせり出していた軒などを壊すことも許されていたという。

 また行事名でもある「おめつき」は、演じられる「思い付き」の即興劇を指す。劇には艶っぽさが多分に含まれるが、これは豊漁の前祝いとされる。用いられる御神体が男性のシンボルをかたどっているのも特徴的だ。

 今年のおめつきにも震災前の名振地区住民や学生ボランティアなども合わせ約40人の男衆が担ぎ手として集い、火伏せの神をまつる秋葉神社で祈とう。その後、丁印(ちょうじるし)を先頭に、囃子と威勢のいい掛け声を響かせながら、途中大きく山車を傾けるなどして海岸線を勇壮に進んだ。

 道を行くにつれ観覧者も増え、漁業用倉庫前では多くの人に囲まれながら即興劇がスタート。年末恒例の「今年の漢字」の名振版を発表する、という前置きで始まり、女性が御神体にまたがるなどのくだりや寸劇が繰り広げられた末に「今年の感じ良し」とのオチ。皆でこれを復唱して多幸を願った。

 現在は広渕の仮設住宅に住む同神社氏子会の今野勝二さん(77)は「こうして年に一度、皆が集まり笑い合えるのはやはりいいこと」としみじみ語っていた。

【写真】御神体にまたがる恒例の光景に多くの笑顔が見られた

最終更新:1月25日(水)

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