石巻日日新聞

地震国の防災対策を共有 ネパールの大学院生

石巻日日新聞 2017年1月25日(水)

 2015年4月に大地震を経験したネパールの大学院生17人が21日、石巻市を視察した。外務省のネパール青少年招へい事業で、被災した学生や防災関連分野を専攻する学生に日本の防災技術を学んでもらうとともに、両国の交流を図るのが目的。参加者は語り部ガイドとともに東日本大震災の津波で被害を受けた沿岸地域を回り、母国の復興に役立てる知見を広げた。

 視察は公益社団法人青年海外協力協会を事業実施団体として本年度から行われている。昨年9月の高校生に続き、ネパールで災害危機管理を学ぶ20代半ばから40代の大学院生が16―23日の日程で来日した。

 同国における災害危機管理分野の第一人者であるラム・プラサット・タパリヤ氏も同行し、前半は東京都内で首都直下地震の備えなどについて学んだ。19日に宮城県入りし、県内の震災復興の状況を視察しながら被災者の心の健康を守る取り組みを見聞きした。

 石巻市内では語り部ガイドの神山日出子さんが地元の渡波や南浜を案内。南浜町で一行は、神山さんの話から地域を壊滅させた6.9メートルの津波を想像し、被災者の住まいとして近隣に建設された復興(災害)公営住宅を眺めた。

 教師でもあるディーパックさん(25)は「危険な地域を建築制限し、被災者に公営住宅を提供する仕組みは、母国でも生かせればいいと思った」と感想を話していた。

【写真】語り部の神山さん(中央)の案内で、南浜つなぐ館を訪れたネパールの大学院生

最終更新:2017年1月25日(水)

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