石巻日日新聞

ロマン海遊21の解体検討 南北間道路整備に支障

2017/1/27
 石巻駅前の石巻市観光物産情報センター(ロマン海遊21)=鋳銭場=が、市道を拡幅する(仮称)石巻駅南北間道路整備事業によって解体が検討されていることが分かった。市は旧北上川近くの中央二丁目で、公設公営の(仮称)いしのまき・かわまち交流館と民設民営の生鮮マーケットからなる観光交流施設の整備を進めているが、市外来訪者の玄関口である駅前での情報発信をどうするかが課題となってくる。

 南北間道路として整備を計画しているのは、駅から東側の小川町踏切までの狭あいな市道約470メートル。現状の一方通行を、平成31年度末までに拡幅して相互通行化し、車の流れをスムーズにする。現在周辺に目立った混雑はないが、そもそもは市立病院の駅前移転に伴って懸念された交通渋滞対策として始まった。

 JRとの調整で工事年度は当初と逆になりそうで、小川町踏切からコンビニまでの南北約230メートルが31年度、そこから駅前までの東西約240メートルは30年度の予定。すでに用地交渉に入っている。

 東西区間の完成後の道路幅は約11メートル。車道は上下各3・5メートルとし、北側に幅4メートルの歩道を設ける。現道から5メートル拡幅されることになり、道沿いの飲食店やロマン海遊などが解体、移転を余儀なくされる。

 ロマン海遊は築後まだ15年半。駅前から発信する観光情報拠点として、約2億円をかけて13年8月にオープンした。鉄骨造2階建てで、1階では観光案内のほか地場産品の販売、2階は多目的ホールとして研修などに活用されている。一般社団法人石巻観光協会が事務所を置き、管理運営している。

 解体が必要なのは一部にとどまるが、そうした場合、物販も行う現在の機能を維持するには手狭になる。29年度末の完成を計画したかわまち交流館も観光情報発信の拠点を兼ねるため、今後の市の財政を考えた場合、同じような施設を2つ抱える余裕はない。かわまち交流館も民間団体による指定管理が想定される。

 ロマン海遊の年間入込数は震災前が約13万人前後で、震災後の24年に開館以来最高の約25万人を記録した。27年は約17万人だが、被災地を訪れる人は今も多く、石巻観光ボランティア協会による大震災学びの案内の発着点となっているロマン海遊で帰りに地場産品を購入する客も目立つ。土産品は駅の売店でも若干の取り扱いがあるが、駅前でたいていがそろう場所は観光客にとって便利なのは間違いない。

 交通の結節点である駅前の情報発信機能をなくすのは観光振興のうえで大きな痛手だ。とくに石ノ森萬画館があり、今後かわまち交流館や生鮮マーケットが整備される川沿いのエリアへ観光客を誘導する拠点を設けなければならない。

 ただし、ロマン海遊を解体する場合、観光協会の事務所の移転先も決めなければならないが、駅前に情報発信機能を残すだけなら、周辺の建物やスペースの間借りなどで対応できる。

 市観光課は「事務所の移転先を含め、駅前での情報発信をどうするかを観光協会と議論したい」としている。(熊谷利勝)

【写真】市道(写真右側)の拡幅で解体が余儀なくされているロマン海遊21

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