石巻日日新聞

有事の司令塔 3月下旬着工 石巻市防災センター

石巻日日新聞 2月3日(金) 配信

 石巻市は市役所東側に計画した(仮称)防災センターの概要をこのほど明らかにした。災害時の司令塔となる施設で、平時は防災学習の場として活用する。市は3月下旬の着工を見込み、平成30年5月の黄金週間明けの供用開始を目指す。しかし施設の使い方は財源となる復興交付金の関係で当初計画からブレが生じており、市議会などからは不要論や宝の持ちぐされにならない活用を求める声が出ている。

 防災センターは、災害時に対策本部を設置し、関係機関との連携で避難情報の発信から被災状況の把握、救命、救助、支援物資の分配、災害復旧などの指示を的確、迅速に行う拠点施設。石巻市は、防災、減災に役立つ情報通信技術を駆使した先進的な防災センターを目指しており、平時は設備を生かした防災のワークショップや勉強会を実施するほか、防災に関するパネル展示などで市民の防災意識の高揚に役立てる。

 建物は鉄筋コンクリート造の3階建て延床面積1737平方メートル。1階は主に浸水想定を踏まえた床高の資機材・備蓄倉庫で、免震構造の2階以上に主要な機能を置く。総事業費は14億7420万円。津波復興拠点事業として公共施設を集約する石巻駅前周辺整備の一つでもあり、ほとんどを復興交付金で建設。市は近く工事入札を行い、市議会定例会に工事契約の議案を提案する。

 3階はシミュレーション室や防災研修ルームを配置し、災害時には対策本部室や連絡班執務室、通信指令室として機能させる。2階は多目的ホールや会議室などで、有事の際は主に自衛隊をはじめとした災害復旧支援活動部隊の詰め所になる。

 センターと市役所庁舎の3階を連絡通路で結ぶため、庁舎内の配置も見直して4階の関係課を連絡通路に近い3階に移す。現在の庁舎は手狭であり、センターの整備によって災害時の初動体制を迅速にできない状況を改善する。

 ただし復興交付金は、庁舎の新設や拡充には使えないため、センター内に平時から常駐する関係課の事務スペースを置けず、市民も使えるスペースに見直された。昨年末の市議会ではセンターそのものの必要性を疑問視する声もあったが、市は「基本的なところは変わりがない」と説明している。

 市は現在、遊休資産にならないよう東京大学生産技術研究所と契約し、センターのあり方を検討。今のところ小中学生の防災学習や自主防災組織、企業向け防災研修などを催しながら、利用者負担も視野に施設の維持管理費を抑えていく考えだ。

【写真】市役所近くの防災センター予定地

最終更新:2月3日(金)

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