石巻日日新聞

東松島市の仮設で交流 ベガルタレディース

石巻日日新聞 2017年2月9日(木)

 サッカー女子、なでしこリーグ1部に所属する「マイナビベガルタ仙台レディース」は先日、東松島市を訪れ、大曲上台の墓地内にある東日本大震災犠牲者の供養碑に献花した。その後、小野駅前仮設住宅を訪問し、住民の被災体験に耳を傾けた。

 供養碑前では越後和男監督とMF嘉数飛鳥選手(27)が代表で献花し、選手全員で黙とうを捧げた。仮設集会所では、靴下で作るキャラクター「おのくん」の製作を見学した後、素材にしてほしいとサッカーソックス50足を手渡した。

 被災体験を語った同仮設団地自治会の武田文子会長(66)は「今年6月に、ここに残っているすべての人が高台の野蒜ケ丘に移る。うれしくもあり、寂しくもある」と話した。同団地は最大で80世帯が暮らしていたが、現在は12世帯となっている。

 常盤木学園高校から入団したGK鈴木あぐり選手(18)は「震災で、生きたくても生きられなかった人の分まで一生懸命頑張りたい」と決意を語った。越後監督は「私たちにはサッカーしかない。地域の人たちに喜んでもらえるような熱い戦いにしたい」と気を引き締めた。

 ベガルタ仙台レディースは昨季4位。選手たちは今月2日から千葉県内でキャンプをスタートさせており、16―19日は「なでしこ交流戦」に挑む。

【写真】被災体験に耳を澄ます選手たち

最終更新:2017年2月9日(木)

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