石巻日日新聞

河北署 北上などで不明者捜索 帰り待つ家族 今も多く

石巻日日新聞 2017年2月10日(金)

 東日本大震災から5年11カ月の月命日を前に河北署は10日、石巻市北上地区と大川地区で行方不明者の一斉捜索を行った。雪の降る悪天候の中、署員たちは打ち上げられた流木などを丁寧にかき分けながら、手がかりを探した。

 河北署管内では同日現在、181人の行方がわかっていない。今回の捜索箇所は、同市北上町十三浜の小室漁港北側の海岸線など、数年前の前回捜索以降に新たな手掛かりが漂着した可能性のある地区を選んだ。

 この日は、同署の及川貴亨地域課長や愛知県警からの特別出向者ら計6人が捜索にあたった。午前に実施した小室漁港付近では、吹雪に加えてしけによる波しぶきが打ちつける中、黙々と作業。1メートル前後の流木を取り除き、堆積物や砂利の中から手掛かりを捜した。

 及川課長は「3月で震災から6年となり、犠牲者は七回忌を迎える。復興は進んでいる一方、いまだ多くの行方不明者と帰りを待つ家族がいる。何か一つでも次の一歩につながるものを見つけたい」と語っていた。

【写真】悪天候の中、黙々と捜索にあたる署員たち

最終更新:2017年2月10日(金)

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