「とびだす100通りのありがとう」 3月20日、遊楽館
石巻日日新聞 2017年2月16日(木) 東日本大震災の1年後に石巻地方の被災者約100人が東京都の銀座で披露したミュージカル「とびだす100通りのありがとう」の舞台映像が3月20日、石巻市遊楽館で上映される。国内だけでなく海外でも絶賛された映像であり、それぞれの道を歩み始めた出演者と支援者が力を合わせて新たなプロジェクトを立ち上げ、飛躍を誓って凱旋上映する。
ミュージカルは平成24年3月18日に銀座ブロッサムで上演された。「ありがとうを言いに行こう♪プロジェクト」として当時3―83歳の112人が出演し、国内外の支援に対する感謝を歌や踊りを交えて表した。
全員が素人のミュージカルは大きな反響を呼び、前日の公開リハーサルを合わせた3回の公演で計2400人の観客を集めた。
その時の舞台は映像に残されており、支援者らが立ち上げたNPO法人「東日本大震災を風化させない会・100通りのありがとう」=東京都=が学校や地域で上映するなどして防災教育や震災の伝承に役立てている。これまでに東京や関東、米国シアトルなどでも上映された。
また、出演者を中心に合唱団も結成。27年9月11日はニューヨークで、同時多発テロ犠牲者と震災の津波で亡くなった外国人指導助手(ALT)テイラー・アンダーソンさんの追悼コンサートで歌声を届けている。
石巻市での上映会は、震災から6年になるのに合わせて同NPO法人と、人づくりに取り組む任意団体の石巻・川の上プロジェクトが開催。1月21日には川の上・百俵館で、上映会に向けた新しいプロジェクトの発足パーティーがあった。
新たなプロジェクト名は「100通り―」と「百俵館」が力を合わせて飛躍を願う「100☆百☆飛躍プロジェクト」(杉山昌行代表)。出演者も集まり、ミュージカルの演出や音楽を手掛けた寺本建雄さん=東京都=の演奏で歌を披露した。
出演時は中学2年で、百俵館運営者と親戚関係にある東北福祉大学1年の須田彩乃さん(19)は「自分より大変な被害を受けた人がたくさん出演していた。実際に起こったことを思い出しながら、次の災害に生かしてほしい」と願っていた。
上映会は3月20日午後1時開演。第1部は出演者などによるコンサートになる。全席自由で、チケットは大人1千円、子ども(6―18歳)500円。希望者は実行委の楯石さん(電話090―7563―9855)または祖父江さん(電話090―9399―9204)に連絡。石巻日日新聞社と石巻ニューゼでも若干数のチケットを取り扱っている。
【写真】ミュージカルの曲を歌い盛り上がった新プロジェクト発足パーティー(1月21日、百俵館)
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