石巻日日新聞

鹿嶋ばやし伝承式 伝統守り継ぐ決意で演奏 広渕小

石巻日日新聞 2017年2月18日(土)

 石巻市立広渕小学校(加藤茂実校長・児童174人)で15日、「鹿嶋ばやし」の伝承式が行われた。保護者や下級生が見守る中で6年生は集大成となる最後の演奏を披露。それに負けじと、太鼓のばちや笛を先輩から引き継いだ5年生も心一つに伝統の音色をとどろかせた。

 鹿嶋ばやしは江戸時代の大飢饉で苦しんだ住民が五穀豊穣などを願って始まったとされる広渕の伝統行事。一時は途絶えかけたが、昭和48年に鹿嶋ばやし保存会(石垣辰也会長)が設立されて以降は旧広渕中学校で生徒たちに指導し、平成元年の中学統合後は広渕小で受け継いでいる。本年度も5年生23人が11月から授業や放課後などの時間を活用し、6年生と保存会の指導のもと練習してきた。

 15日に体育館で行った伝承式には全校児童と保存会のほか保護者らも来場。6年生総リーダーの熊谷ふらのさん(12)が「私たちは声を掛けあい、心を一つに演奏してきた。5年生の皆さんには私たちを越える素晴らしい演奏をしてほしい」と語り、最後の演奏となる「豊年」と「おくりばやし」などを披露。後輩に楽器やたすきを引き継いだ。

 新たなリーダーとなった5年生の半澤美理さん(11)は「不安もあるが、伝統をしっかり引き継いでいく。これからも応援してください」とこたえた。5年生の演奏は「うちばやし」と「松島」。技術では6年生に劣るが、それを補うような元気な掛け声を響かせ、会場を沸かせていた。

 伝承された鹿嶋ばやしは4月16日に広渕地区で行われる「鹿嶋ばやし山車祭り」でも披露される。

【写真】保護者や6年生の前で練習の成果を発揮した5年生

最終更新:2017年2月18日(土)

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