大田区商店街にマルシェ 石巻産を召し上がれ
石巻日日新聞 2017年2月20日(月) 震災から間もなく6年。古里の復興を願う石巻出身者や被災地を訪れたボランティアたちは、これまでの活動で生まれた〝つながり〟を生かした支援を続けている。結束力を強めた支援者たちが復興へ向けた地域の魅力発信を後押ししている。
東京都大田区のウィロード山王商店街にある「石巻マルシェ」は地場産品の販売をはじめ、石巻地方の生産者や首都圏在住者をつなぐ場として運営されてきた。マルシェは石巻出身者や石巻に縁を持つ首都圏在住者らで組織する任意団体「石巻復興プロジェクト」(村上源代表)が運営。平成23年11月から毎週土曜日に開店しており、地場産品の販売をはじめ、復興支援のために石巻地方を訪問した人々の情報交換の場としても機能している。 また、定期的にイベントを開いており、石巻地方の生産者を招いた交流会なども開催。ウィロード山王商店街とともに石巻の魅力を都内で発信してきた。
特別な日の夜を石巻自慢の味で楽しんでもらおうと、昨年12月24日には、マルシェを会場に石巻地方の豊富な食材を使ったクリスマスディナーを催した。
テーブルに地域の味を届けたのは橋通りCOMMON=石巻市中央2丁目=でイタリアンレストラン「オスピタリタ・ダ・オリーノ」を経営する堀野真一さん(37)とシェフの松本圭介さん(同)の2人。地元の生産者がこだわって作り上げた食材を「石巻ブランド」として、都内でアピールした。
堀野さんと松本さんが持ち込んだのは「つながり」を大切にしている生産者が手掛けた食材。地元で水揚げされたタラやアナゴといった新鮮な魚介類をはじめ、雄勝町のハーブ、桃生町の豚肉、大川地区のベビーリーフなどを使用したコース料理2種を用意。食材の特長を知り尽くした松本さんが味を引き出した。
約20人がテーブルを囲んだ会場では、堀野さんが接客を担当し、食材に込められた生産者の思いや、一品一品に詰め込んだ地域自慢の味を紹介していった。全員が料理を完食するなど大好評だった。
イベントを振り返り堀野さんは「生産者とのつながりを大事にしてきた活動が地域外の人にも喜んでもらえる結果になった。食材に対する自信や、これまでの取り組みが間違いなかったという確認にもなった」。また、松本さんは「飲食店だからこそできる石巻のブランドや味づくりに挑戦したい」と語り、生産者の思いとともに石巻の味を売り込むビジネスに手応えを感じていた。
【写真】堀野さん(右)が一品一品の料理に込められた味を紹介した
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