石巻日日新聞

野蒜に「幸満つる郷」 被災元地の農作物施設名決定

石巻日日新聞 2017年3月3日(金)

 ITソリューション事業などを手掛けるKDDIエボルバ(中澤雅己社長)=東京都=が東松島市野蒜地区に建設する農産物生産施設の起工式が2日、現地で行われた。同日は施設の名称も発表され、「幸満つる郷KDDIエボルバ野蒜」となった。
 市とエボルバは、移転元地利活用の貸付契約を先月締結。市は防災集団移転促進事業で市民から買い取った土地計約166ヘクタールのうち、野蒜字西余景の約2・9ヘクタールを10年間無償でエボルバに貸し出した。
 同社は地域の障害者雇用と産業の創出を目的に、農産物生産施設「幸満つる郷KDDIエボルバ野蒜」の建設に着手。将来的には地域内外の人たちが楽しめる観光果樹園としての機能も持たせる。
 地元の障害者やシニア層らを積極的に雇用し、枝豆やサツマイモ、ベビーリーフなど9種類の農産物を生産する。また観光客がブルーベリー狩りなどを楽しめる観光果樹園の運営も見込んでいる。現時点で障害者、シニアの雇用は計15人を予定しており、30年度には30人に拡大する見通しという。
 建設地は東名運河を挟んだJR仙石線旧野蒜駅の向かい側で、木造平屋建て、延床面積は656平方メートル。今年9月の開所を予定している。
 起工式には市やエボルバ、建設関係者ら約40人が出席し、神事を執り行うなど工事の安全を祈願した。その後、中澤社長はあいさつで「地元の皆さんと気持ちを一つにして事業を進めていく。多くの人が集える場にしていきたい」と思いを語っていた。

【写真】神事で鍬入れを行う中澤社長

最終更新:2017年3月3日(金)

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