宮水生のアクアポニックス 水産総合センターに展示
石巻日日新聞 2017年3月4日(土) 石巻市水産総合振興センター=同市魚町二丁目=の情報資料室前に2月28日、宮城水産高校生物環境類型の3年生が実習で取り組む「アクアポニックス」の設備が搬入された。アクアポニックスは魚の養殖と野菜の水耕栽培を同一システム内で行うもので、今回の設置は卒業記念で実施。生徒たちの意欲が詰まった設備が、市の水産業振興拠点の展示の幅を広げた。
宮城水産高では平成25年度から同類型3年生の総合実習でアクアポニックスの研究に取り組んでおり、さまざまな種類の野菜の育成や、設備の改良などを進めた。28年度からは「宮水ユメミタイプロジェクト」の名で、アクアポニックスで育てた野菜と魚を用いた商品開発などにもつなげた。
本年度は大学、高校などの食品科学研究を支援する東和食品研究振興会の協力のもと、5人の生徒がチームとして活動。ティラピア(イズミダイ)の大量生産、従来の淡水でなく海水をアクアポニックスに適用するための予備実験など幅を広げた。10月にはこれらの活動が認められ、東北地区水産・海洋生徒研究発表会で優秀賞を射止めた。
一方、水産総合振興センターは魚市場の背後地に今年はじめにオープン。1階の情報資料室は地域内外に石巻市の水産を紹介するスペースで、石巻漁港で水揚げされる水産物や市内水産加工会社の加工技術を伝えるコーナーなどがある。また教育・学術機関の取り組みも紹介しており、今回の宮城水産高のアクアポニックス設置もその一環。石巻にアクアポニックスを広めるとともに、生徒たちの本年度の活動の締めくくりとして卒業式前日に行った。
この日はチームの5人全員が作業に当たった。阿部倖樹さん(18)は、将来アクアポニックスを仕事とするため、水生生物の研究で実績のある岡山の専門学校に進学を決めた。「アクアポニックスは可能性が大きい技術。展示が認知の高まりや、子どもたちが自分のように将来を描くことにつながれば」と話していた。
展示するアクアポニックスは、現在魚を育成できる環境を整えており、春には養殖を始める。来年度以降の管理は3年生が担う。また、情報資料室は午前8時―午後5時に一般閲覧できる。
【写真】アクアポニックスの設置にあたった生徒たち
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