慰霊の集い 七回忌で再会 人口10分の1の松原町
石巻日日新聞 2017年3月7日(火) 東日本大震災から6年を前に石巻市渡波地区の松原町内会(阿部和夫行政区長)は5日、浜松公園に特設テントを設け、「震災物故者追悼慰霊の集い」を開いた。長浜海岸東側の海沿いに位置する同町内は震災で約250世帯500人あった人口が10分の1にまで減少。住まいの再建などに伴い不通になる人々も多く、犠牲者の冥福を祈るとともに以前のつながりを途絶えさせない目的で行った。当日は多くの懐かしい顔が焼香台で静かに手を合わせ、再会の言葉を交わした。
集いは特定非営利活動法人絆JAPAN(笠原正好理事長)が協力した。震災で同町内には防潮堤を越えた津波が直撃。多くの人が犠牲になったほか、一部が非可住地域に指定されるなどし、住民たちは仮設住宅での生活や転居を余儀なくされた。
平成25年に三回忌の集いを開いた際には仮設生活者が多く連絡を取り合うのは可能だったが、6年経た今、住まいの再建が進み、移転先が分からない人も増えたという。
この日は午前11時の開始前から人々が集まり、焼香台が整うと次々と献花、焼香した。訪れた内海高文さん(53)、由美子さん(54)夫妻は同町内の自宅が全壊し、高文さんの父親が犠牲となった。現在は富谷市で暮らしており、「津波で互いの連絡先や卒業アルバムも流された。連絡が取りたくても取れず、6年ぶりに会う人もいた。みんなバラバラだけれど、『頑張って生きる』と手を合わせた」と話した。
阿部和夫行政区長は(69)は「9割の住民がここを離れ、今後も戻ってくることは望めないだろう。震災で地域の景色は変わったが、人々のつながりだけはこういった場を通して守っていきたい」と複雑な胸の内を語っていた。
【写真】人々が献花に訪れ、久しぶりの再会を果たした
最終更新:2017年3月7日(火)
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