石巻日日新聞

教育旅行に震災伝承と復興 高校生9人がモニターツアー

石巻日日新聞 2017年4月6日(木)

 石巻地方の交流人口拡大へ向け、県が行っている「いしのまき体感モニターツアー 子ども編」が3月27日、2市1町の産業・観光施設などで実施された。東日本大震災後は県内外の教育旅行による小中高校生の来訪が増加するなどニーズも高まっており、さらなる推進へこの日は高校生9人を対象に行った。
 震災の影響で石巻地方では観光客入込数が減少しており、観光振興を図るための情報発信や誘客戦略は喫緊の課題。そこで県は昨年11月を皮切りに「女性」「外国人」「子ども」の3者をターゲットとしたモニターツアーを始めた。今回は28年度最終回となる「子ども編」で松島高校観光科7人と桜坂高校商業研究部2人の計9人の生徒が参加した。
 ツアーはバス移動で旧JR野蒜駅に整備された震災伝承館から出発。(株)山大のウッドミル製材工場を見学したほか、石巻市の南浜地区では公益社団法人みらいサポートによる震災伝承プログラムを体験した。昼食を立町の再開発ビル1階にある石巻アサッテ内の日高見レストランでとった後、女川町でも巨大冷凍冷蔵施設マスカーや商業施設シーパルピア女川を巡った。
 ツアー後に行われた意見交換では「震災復興の様子を知ることができた」「石巻地方の産業について興味が強くなった」といった職業観の醸成にかかわる好意的な意見があった一方、「震災復興に当時の学生がどのように関わったのかを知る機会が欲しい」などの提案もなされた。
 県ではこれまで行ったツアーで寄せられた意見を今後の観光施策へ反映させる方針。また29年度では水産業をはじめとする石巻地方の特徴的な産業をめぐるツアーなどを検討しているという。

【写真】石巻市立町の再開発ビル1階にある日高見レストランでは食事を楽しんだ

最終更新:2017年4月6日(木)

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