石巻日日新聞

新渡波に「地域の宝」の声響く 中学校と保育所が完成

2017/4/8
 石巻市が復興土地区画整理事業を進める新渡波地区(さくら町)に、市立渡波中学校の新校舎と同渡波保育所の新園舎が完成し、地域に子どもたちの元気な声が戻ってきた。いずれも震災後は仮設施設での生活を余儀なくされており、6年の時を経て同地区に移転新築。子どもたちは真新しく立派な学び舎に負けないくらいに笑顔を輝かせた。

 渡波中学校は8日、新体育館で落成式を行った。地域住民が屋外で炊き出しを行うなど、地域一体で新しく生まれ変わった母校の門出を祝った。

 長浜海岸から200メートル地点にあった同校校舎は震災で全壊した。その後は万石浦中、稲井中、万石浦小学校を間借りし、平成23年9月から昨年度末までの約5年半は稲井小校庭の仮設プレハブ校舎での生活を強いられた。

 市教育委員会では24年3月に市立学校施設災害復旧整備計画を策定し、渡波中について28年度末までに内陸部に移転新築することを決定。旧校舎から約1キロ内陸にある新渡波地区内を移転地とし、27年11月に建設工事に着手した。約2万平方メートルの敷地には先月24日、鉄筋コンクリート造4階建て、延べ床面積約8650平方メートルの校舎が完成。広いグラウンドを確保するため体育館、武道場を校舎と一体化し、プールも石巻地方では初めて屋上に設置した。

 また、屋上には有事への備えとして太陽光パネルを設置したほか、夜間の体育館利用や地域に開けた学校とするために生徒用昇降口とは別に地域開放入口を整備するなどの工夫も施した。総事業費は約43億円となった。

 8日の落成式には2―3年生216人と関係者、地域住民らが出席。亀山紘市長は式辞で「新校舎の完成を機にますます勉学に励み、地域の復興をけん引してほしい」と述べ、続いて中塩栄一校長が「渡中70年の伝統の継承と進化を進め、感動を生み出していく」と語った。

 また、生徒を代表して生徒会長の森啓汰さん(3年)が
「恵まれた環境で生活を送れることに感謝したい。仮設での経験を生かし、石巻一の学校を目指していく」と力強く述べ、生徒たちが校歌を斉唱。関係者のテープカットで完成を祝った。

関係者らがテープカットで生まれ変わった学び舎の完成を祝った(渡波中)
 その後、稲垣潤一東北サポート基金からグランドピアノの贈呈があったほか、地域住民を招いた施設見学会も行われた。


◆0歳児保育も 再開へ
 渡波保育所の新園舎は渡波中隣接地に完成し、6日に開所式を迎えた。旧渡波保育所と、同じく震災で被災した市立はまなす保育所の代替施設に位置付けられ、0歳児保育もスタートするほか、子育て支援センターも併設。渡波地区の子育て環境が向上した。

新しい施設での初めての点呼で元気に返事をする児童(渡波保育所)
 渡波、はまなすの両保育所は震災でともに被災。そのため24年10月に、両保育所の園児が通う仮施設として流留児童遊園跡地に渡波保育所の仮設園舎が設置された。

 今回完成した本設施設は市が復興に伴う保育所再配置計画に基づき、区画整理事業地内に再建した。新施設は敷地面積約3500平方メートル、木造平屋建てで延べ床面積は約1千平方メートル(うち子育て支援センター約110平方メートル)。総事業費は5億2500万円で、震災前にはまなす保育所が行っていた0歳児保育も開始する。

 開所式後には早速入所式もあり、北村真澄所長が「地域に愛される保育所となるよう心を尽くして施設を運営する」とした上で、子どもたちに「新しい保育所でいっぱい遊びましょう」と呼びかけた。

 なお、高台の雄勝町小島地区に移転した雄勝保育所も同日、開所した。

【写真】完成した新しい渡波中学校。石巻地方では初めて屋上にプールが設置されている(写真提供・遠藤興業(株))

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