石巻日日新聞

女川町庁舎 再建事業 行政サービスの拠点いよいよ着工

石巻日日新聞 2017年4月12日(水)

 東日本大震災で被災し、仮設庁舎で業務を行っている女川町役場が、来年9月末までに町中心部の高台造成地に整備される。震災から6年1カ月の月命日にあたる11日に現地で安全祈願祭があった。新庁舎は、役場機能に加え、被災した町生涯教育センター、保健・子育て支援センターなども併設となる複合施設。祈願祭では、関係者らが行政サービスの本拠地工事の無事故と一日も早い完成に期待を込めた。

 被災前の町役場は、昭和47年11月に整備され、40年近く行政拠点として使用されてきたが、東日本大震災で庁舎3階の天井付近まで津波が押し寄せたことで全壊した。そのため、旧女川第二小学校遊具跡地の2階建てプレハブ仮設施設で業務にあたり、派遣職員の増加に合わせて増築なども行った。

 新庁舎は、かさ上げ工事が終了した女川浜の2万1270平方メートルの敷地に建設する。鉄骨造一部鉄骨鉄筋コンクリート造の地下1階、地上3階建てで、延床面積は8390平方メートルとなる。

 1―3階に執務室、議場などのほか、文書保存センターも整備。庁舎の四方には、生涯学習センター機能としてのコンサートホールや図書室、保健センターや子育て支援センターも組み合わされている。駐車場は一般車150台、公用車50台分を収容。地下1階は低地部から図書室などに向かう入り口となっている。

 総事業費は41億3千万円で、電源立地補助金や国の補助を一部活用する。設計・施工を一括で行うプロポーザル方式により、(株)竹中工務店が担当する。

 11日の安全祈願祭には、町や工事関係者ら約50人が出席し、須田善明町長と木村公雄議長らがくわ入れなどを行った。須田町長は「行政の中心的な機能、住民のニーズを担う拠点として約1年半かけて整備する。この土地に協力いただいた方々が大勢おり、そうした思いのもとに今日がある。安全な工事をお願いしたい」とあいさつ。竹中工務店の安藤俊幸取締役専務は「町民の期待に応えられる庁舎に仕上げて、町へ引き渡したい」と抱負を語っていた。

【写真】高台造成地に整備される新庁舎などの施設(完成予想図)

最終更新:2017年4月12日(水)

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