手彫りの石仏さん70体 門脇町西光寺に奉納
石巻日日新聞 2017年4月12日(水) 石巻市門脇町の西光寺(樋口隆信住職)で11日、石川県金沢市の如来寺(吉田昭生住職)から寄贈された石仏70体の開眼式が行われた。西光寺の檀家ら約50人と石仏を彫った如来寺の信徒約30人も参列。一つ一つ異なる笑顔を浮かべる地蔵に手を合わせて、地域の復興を願った。
参道の老朽化に伴い、墓地や本堂などの改修工事を行った如来寺では、工事で運び出された石を利用して平成7年5月から石仏を彫り始めた。1千体を目標に信徒らが毎年7―10月に境内に集まり、制作してきた。
石仏が800体になったころに東日本大震災が発生。2年後の25年、浄土宗による被災3県の物故者慰霊法要で西光寺を訪れた吉田住職は、被災地の惨状を目の当たりにして石仏奉納を決意したという。
26年秋には目標としていた1千体を超える石仏が完成。一区切りがついたため27年から石巻に奉納するものに取り組んだ。2年間を費やして、70体を彫り上げた。
震災から6年1カ月にあたる11日に西光寺境内で行われた開眼式で両寺の住職により地蔵に御霊が込められた。参列した信徒らは参道沿いの桜の木の下で微笑む地蔵の顔を見比べて手を合わせていた。
吉田住職は「4年前の地域の無残な姿には、慰めの言葉も出なかった。復興のために何か協力しなくてはと思った」と振り返り、思いを形にしたことでほっとした表情を浮かべた。
樋口住職は遠く離れた金沢市からの善意に感謝しながら「地域の皆さんには手彫りの地蔵を見て心を安らげていただきたい。また地蔵には、地域の復興を見守り続けてほしい」と話していた。
【写真】樋口住職らが開眼式を執り行った
最終更新:2017年4月12日(水)
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