石巻日日新聞

CNF世界最大級の設備完成 日本製紙石巻工場

石巻日日新聞 4月27日(木) 配信

 日本製紙石巻工場で25日、超極細植物繊維であるセルロースナノファイバー(CNF)の大量生産設備の落成式が行われた。さまざまな分野への活用の可能性を秘めたCNFの生産設備として世界最大級の規模であり、この日から稼働を開始。平成31年の生産率100%を目指し、石巻をCNFの一大生産拠点としていく。

 セルロースは、植物細胞の細胞壁や繊維の主成分で、天然の植物質の3分の1を占める物質。CNFはその最小構成要素の繊維で髪の毛の1万分の1と極めて細く、かつ高い強度を誇るほか、安価に製造できる。

 日本製紙では19年から本格的なCNF製造技術の開発に着手。「TEMPO触媒酸化法」と呼ばれる製造法を活用することで、CNFを大量に生産できることとなった。TEMPO酸化CNFはその性質から機能性添加剤、機能性シート、樹脂やゴムなどの複合材といった幅広い分野での応用が見込まれている。抗菌などの機能付与も可能だ。

 同社は25年に山口県の岩国工場に年間生産能力30トンのCNFの実証設備を設置して技術開発を進めてきた。27年にはCNFに抗菌・消臭機能を持たせてシート化し、大人用の紙おむつで実用化。これがTEMPO酸化CNFの世界初の実用化となった。

 これらを経て、実用化に向けた取り組みを進めるため、石巻工場に大量生産設備を新設した。年間生産能力は500トンで、今年は10―20%の生産を見込み、31年にはフル稼働させる予定だ。

 25日の落成式には、同社関係者のほか国や県、石巻市からも出席し、神事の後、日本製紙の馬城文雄社長や亀山紘市長らがテープカットを行った。

 馬城社長はあいさつで「CNFは今後の事業の柱の一つであり、一日も早くフル操業につなげていく」と喜びを述べた。また式終了後の取材に対し、石巻工場の音羽徹工場長は「石巻、東北の産業の振興に寄与していきたい」と期待を語った。

【写真】稼働を始めたCNFの量産設備

最終更新:4月27日(木)

新着記事