石巻日日新聞

エスタ閉店惜しむ声も 「ないと不便」「郊外に勝てず」

石巻日日新聞 5月9日(火) 配信

 石巻市役所1階にある食料品スーパー「エスタ」が今月末で閉店することを受け、利用者からは惜しむ声が聞かれた。市は今後も1階を商業スペースとして活用する方針だが、まちなかからの商圏の移動や住民の減少もあり、新しい店には工夫が求められる。

 現在の市役所は閉店した百貨店ビルを活用した建物。エスタを含む商業スペースは地元の(株)ステップ(和賀井啓之社長)が市から10年契約で借り受け、市役所移転前の平成20年6月末にオープンした。

 人通りのある石巻駅前の立地だが、同社直営のエスタは郊外への商業集積や東日本大震災の影響もあって売り上げが減少し、来年5月末までの契約期間を1年残して閉店することになった。

 1階には現在、同社からの転貸借で13のテナントやATMがあるが、契約上、来年5月末までは営業を継続できることになっている。エスタ店内には8日、閉店の告知が掲示され、買い物でたまったポイントの取扱を従業員に問い合わせる人の姿もあった。

 百貨店時代を知る鹿又の60代女性は「列車での移動が主なので、駅に近いスーパーがなくなるのは不便」と惜しみ、働き盛りの男性は「オープン当時から利用してきた。やっぱり郊外の大型店に勝てないのか」とつぶやいた。一方で近くに住む70代女性は「ちょっとした買い物で利用することもあるが、普段は商品の多い大型店に行く。もう少し年を取ると大変かもしれないが、歩けるうちは少し遠くても…」と正直に話していた。

 市の担当課は「市民の買い物の利便性のため1階は今後も商業スペースとしたい」とし、早期にプロポーザルによる新たな事業者を公募することにしている。ただ、周辺にはコンビニエンスストアの出店もあって日常的な買い物ができないとはいえず、現在は商品を宅配する業者もある。

 駅前の旧百貨店ビルを改装した市役所内のスーパーはめずらしいが、あくまで行政の建物であり、それなりの支障も。買い物には市役所の立体駐車場が使えるが、郊外の店の平面駐車場に慣れた客には面倒なようだ。

 また、震災後は中心部から郊外へ人口が流出。エスタは市役所が休みの土日、祝日はとくに客が少なく、立体駐車場から直接入店できない不便もある。

【写真】突然の閉店の知らせに驚く買い物客ら

最終更新:5月9日(火)

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