採用拡大で地産地消に期待 日本製紙産コンクリ混和材
石巻日日新聞 2017年5月26日(金) 道路舗装に新たな可能性を広める早期交通開放型コンクリート舗装「1DAY PAVE」の施工見学会が23日、石巻市明神町の平成生コンクリートで行われた。日本製紙石巻工場が製造する高耐久性の混和材をセメントに加えており、コスト縮減の効果などがあるという。同石巻工場は公道での採用拡大を含め〝地産地消〟に期待を込めていた。
1DAY PAVEは、平成25年8月に国土交通省の新技術情報システムに登録された新たなコンクリート舗装。打設後、1日で養生を終えることができる工法だ。アスファルト舗装と比べて初期投資は上回るが、約50年間は大規模補修が必要ないとされ、維持管理費の削減が図られるという。
これに日本製紙石巻工場のボイラーから出た石炭灰を加工したコンクリート混和材「高品質フライアッシュ」(CfFA)をセメントと併用することで強度、耐久性に優れたコンクリートが実現。同工場では国発注の雲雀野地区防波堤築造工事に使う消波ブロック、ケーソンにCfFAを供給している。
23日の施工見学会には行政や学識者、民間企業などから関係者120人が参加。CfFAの製造施設を見学したほか、セミナーを通じて学術的、実務性それぞれの立場から利活用を探った。平成生コンクリートでは実際に施工状況を学び、理解を深めていた。
1DAY PAVEを使った舗装の施工実績は、全国的に増えてはいるが、石巻市内での実績はまだない。同石巻工場は自社敷地内のチップヤード出入り口に施工し、大型車が毎日通過しても劣化や轍(わだち)は見られないという。
同石巻工場では年間約1万トンのCfFAを生産でき、将来的には3万トンまで可能。同工場環境管理課は「建設資材の地産地消で資源循環を進めていきたい」と話していた。
【写真】混和材を加えたコンクリートを打設した(平成生コンクリート)
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