石巻日日新聞

麺屋武蔵 矢都木社長 宮城水産高で調理指導

石巻日日新聞 2017年5月29日(月)

 宮城水産高校に22―23日、人気ラーメン店を経営する(株)麺屋武蔵=東京都新宿区=から矢都木二郎社長(40)らが訪れた。魚のあらを活用した石巻らしい新メニューを伝授。調理講習などを通し、生徒たちに食を生業とすることのやりがいや楽しさを伝えた。

 矢都木社長の調理講習は、ジャンルの枠を超えたプロの料理人によるボランティア組織「料理ボランティアの会」=東京都文京区=による事業の一環。同会は東日本大震災などの災害の被災地で、無料食事会やメニュー開発のサポートを行い、復興の後押しをしている。

 麺屋武蔵は同名の店舗を東京都内14カ所に展開し、いずれもラーメン好きのみならずとも名を知る人気店。近年は海外にも出店している。味の追求はもとより、“お客様第一”の考えのもとでおもてなしにまでこだわる店の在り方は、業界にも大きな意識の変化を生んだ。

 今回、宮城水産高を訪れた矢都木社長は平成25年に現職就任した2代目。22日には講演で1年生を対象にこうした店の哲学などを自身の経験を交えて伝え、23日は調理類型2―3年生に調理講習会を行った。

 矢都木社長ら麺屋武蔵の職人が手掛けたのは、今回のために考案された「あらーめん」。調理類型の実習で発生する魚のあらを活用するとともに、石巻の新たな名物にもできるメニューとして作られた。生徒たちはメモを片手に、職人たちの手際や味に対する真剣な姿勢を間近で感じ取っていた。

 麺屋武蔵に就職希望という調理類型3年の飯盛大夢さんは「お客さんへの真摯(しんし)な姿勢と、感覚を大事にする現場の姿がわかった。いずれ地元で店を出すことを目標に、人を喜ばせられる仕事をしたい」と話していた。

【写真】矢都木社長(左)の仕事を生徒が真剣に見つめた

最終更新:2017年5月29日(月)

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