石巻日日新聞

リボーンアート・フェス 22日開幕 牡鹿半島など美術館に変身

芸術×音楽×食 楽しむ51日間 テーマは「人が生きる術」

石巻市 教育・文化 石巻日日新聞 7月15日(土) 14時41分 配信
牡鹿半島の山や海を会場に展示される名和晃平さん作の「White Deer」(荻浜)

 芸術や音楽の力で震災からの復興を支援する「リボーンアート・フェスティバル(RAF)2017」が22日に石巻市の牡鹿半島やまちなかを中心に開幕する。Reborn Art=「人が生きる術」をコンセプトに9月10日まで、現代アートの作家が手がけた作品の展示やミュージシャンによるステージ、有名シェフによる地元食材を使った料理が提供されるなど五感で楽しむ「総合祭」が繰り広げられる。

 イベントはリボーンアート・フェスティバル実行委員会と一般社団法人APバンクが10年間の継続を目指して開催する。石巻地方2市1町と塩釜市、松島町を会場に51日間で約20万人の集客を見込んでいる。

■浜が展示会場

 メーンとなるアート作品は石巻市のみが会場となり、地元を含む国内外の作家約40組が「中心市街地」「桃浦・荻浜」「鮎川」の3エリアに展示する。牡鹿半島の豊かな海や山、震災から復興へ向かう人々の暮らしから着想を得た作品が浜やまちなかに並ぶ。

 展示会場の魅力を作品に取り入れるため、長期滞在して制作に取り組む作家もいる。漫画家で現代美術家のパルコキノシタさんは、会場の一つである休校中の荻浜小学校の体育館で、石巻の杉などを素材とした4千体の木彫りの制作に取り組んでいる。

 ホンマエリさんと、ナブチさんによるアートユニット「キュンチョメ」も5月下旬から市内に滞在し、「生まれ変わったらなりたい人やモノを叫んでからセミの抜け殻を潰す」という映像作品「空蝉crush」を制作中だ。

 撮影には市民も参加しており、それぞれ自分なりの「リボーン(生まれ変わり)」と向き合う機会となっている。

子どもたちも「空蝉crush」に協力。何に生まれ変わりたいのか悩みながら叫んだ
子どもたちも「空蝉crush」に協力。何に生まれ変わりたいのか悩みながら叫んだ

 ホンマエリさんは「セミは7年間、地中で育つので、今年は震災の年に生まれたセミが成虫となって夏空に飛ぶ。牡鹿半島を訪れた来場者がセミの鳴き声を聞いて、石巻への思いを巡らせてほしい」と制作意図を話していた。

■51日間響く音楽

 昨夏、石巻市雲雀野で行われた「ap bank fes」が、今年は川崎町の国営みちのく杜の湖畔公園を会場に28―30日に開かれる。音楽プロデューサーでAPバンク代表の小林武史さん、ミスターチルドレンのボーカルを務める桜井和寿さんが中心となって活動する「Bank Band」や「ゲスの極み乙女。」「水曜日のカンパネラ」ら総勢約30組が出演し全国から6万人の来場を見込んでいる。

 さらにRAF期間中は「51日間、毎日どこかで音楽が鳴っているプログラム」として橋通りCOMMONや荻浜小、おしか御番所公園などを会場に大小さまざまな音楽ステージも開催。8月上旬は中瀬公園に特設ステージが用意され、週末を中心に1―2千人規模のライブが開かれる。

■ 地元食材でおもてなし

 RAFは来場者が牡鹿半島の自然や人々の暮らしに触れる拠点を整備している。

 荻浜の「牡鹿ビレッジ」には作品展示、イベントスペースのほか、地元食材を味わうレストランも設置。新鮮な魚介類や食害などの被害が深刻化する鹿を地域資源として活用し来場者をもてなす。

 桃浦では会員制宿泊研修施設「桃浦ビレッジ」の建設も進めており、8月中旬に稼働予定。牡鹿半島を訪れた人たちが山や海に囲まれた暮らしについて学ぶプログラムを展開する。

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 展示作品や一部の音楽ライブを2日間観覧可能な前売り券は一般2500円、学生・シニア1500円、各プレイガイドで販売している。県内在住者を対象とした地元割引券(1日券)は1千円で、ロマン海遊21や牡鹿ビレッジ、旧観慶丸商店などに設置されるRAFインフォメーションセンターで身分証明書を提示することで購入が可能。22日は午前9時半から石巻市役所でオープニングセレモニーがある。浜やまちなかを会場に、作品に込められた「作家の思い」に触れる51日間がスタートする。

最終更新:7月16日(日) 11時58分
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