福祉用具メンテの拠点立ち上げ 石巻祥心会が地域初
2017/5/23

 社会福祉法人石巻祥心会(宍戸義光理事長)は6月から、福祉用具のメンテナンスと物流管理を担う「石巻メンテナンスセンター」を石巻市湊に立ち上げる。仙台圏で行われていたこれらの業務を行う石巻初の拠点で、地元の福祉用具貸与事業者のコスト削減が図られる。同時に、用具利用者への対応の効率化も望めるほか、障害者らを雇用し、自立支援にもつなげる。
 福祉用具は車椅子など、要介護者や障害者などの生活を支える道具。貸与事業所から必要とする人に貸し出される。メンテナンスは、利用者から用具が返却された際の修理や清掃などで、再び貸し出すために必要な工程だ。
 貸与事業所が扱う用具は自社所有のものと、専門業者から卸貸与された場合とがあるが、県内で卸やメンテナンスを行う業者は仙台圏が主。いずれにしても石巻地方の貸与事業者は、利用者から返却された用具をそこに送る必要があり、費用と時間の両面でコストがかかっていた。
 祥心会がメンテナンスセンターを立ち上げたのは、こうしたコストの軽減のため。仙台市の卸業者ケア・リレーションと法人連携し、同社が一律で担ってきたメンテナンスと用具管理業務のうち、東部保健福祉事務所管内での業務を受託する。この仕組みにより、ケア・リレーションと契約を結んでいる貸与事業者は、同社に払う額が軽減される。一般的に月ごとに支払う額に含まれるメンテナンス費用が引かれるためだ。
 国では現在、福祉用具の貸与額の上限を設ける規制強化に向け動きを進めており、これに伴う貸与事業者の収益低下が懸念されている。メンテナンスセンター設置によるコスト削減はこうした状況にある貸与事業者にとっては大きな助け。高齢化で福祉用具のニーズはさらに高まるが、貸与事業者の健全経営は利用者へのサービスの安定化にもつながる。
 またセンター独自の用具保管庫を持ち、メンテナンスのほかにも配送などを手掛けることで、地元貸与事業者および利用者のニーズに迅速に対応可能。自社で用具を所有する貸与事業者にとっても業務効率化が期待できる。メンテナンスは、貸与事業者以外に病院や公的施設などの共用品でも行っていく。
 メンテナンス業務には、ケア・リレーションによる研修を受けた祥心会職員に加え、同法人の運営施設を利用する障害者を雇用し、自立支援に向ける。はじめは10人ほどでスタートする見込みで、高齢者などの雇用も目指していく。現在は、開設に向けて同法人運営の施設利用者らに体験実習を行っている。
 祥心会の佐藤隆弘次長は「地元の会社が地元住民の雇用の場をつくり、互いを支え合う仕組み。より多くの事業者に利用してもらえれば」と期待していた。

【写真】来月の開設に向けて実習を受ける祥心会の施設利用者
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